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開発ストーリー

stories

お客様の「作りたい」「解決したい」という想いに、イデア工業はどう向き合ってきたか。
うまくいった話だけでなく、失敗から学んだ話も含めて、正直にお伝えします。

ものづくりへの姿勢が、少しでも伝わればうれしいです。

STORY.01

リアシェード巻き取りパイプの
世界規模のクレームを、
耐油素材の提案で解決

導入先
自動車部品メーカー(リアシェード機構部品)
技術
樹脂異形押出成形/耐油性樹脂素材の選定・提案

車のリアシェード(後部座席の日よけ)を巻き取るパイプ部品。そこに使われていた緩衝材は、塩ビ素材の押出成形品。

ところがある時期から、使用されるオイルと素材が反応し、硬化してしまうという問題が発生。リアシェードが正常に巻き取れなくなり、世界各地でクレームが相次ぐ事態となりました。

既存の仕様では問題が解決できない。原因の特定と対策の両方が必要な状況の中で、お客様からイデア工業へ相談が寄せられました。

イデア工業の提案

まず原因の分析から始め、材料メーカーとも連携しながら検討を重ねました。

行き着いたのは、船外機など過酷な環境で使われてきた耐油性樹脂素材の応用でした。「この素材なら、オイルとの反応を防げるのでは」——その仮説をもとに試作・評価を繰り返した結果、硬化問題は解消されました。

最終的には新仕様が採用され、リアシェード巻き取りパイプの全製品がイデア工業製品へ切り替わりました。

この経験が教えてくれたこと

加工方法を変えるのではなく、材料そのものを変えることで課題を解決した事例です。「困りごとの根本がどこにあるか」を探ることの大切さを、改めて教えてくれた案件でした。

STORY.02

設計段階から伴走し、
試作を重ねて量産化を実現

導入先
自動車部品メーカーの設計開発部門
技術
樹脂押出成形/試作開発/金型設計

新しい部品の設計開発を進める中で、「図面はあるけれど、実際に押出成形で作れるのか」という確証が持てない状態でした。

通常、製造会社への依頼は設計が固まり購買部門が動いてから始まります。しかしこの相談では、仕様が固まる前の段階から関わることになりました。形状や素材の条件が実現可能かどうかを確認しながら開発を進める必要があり、設計担当者も手探りの状況でした。

イデア工業の提案

「まず工場に来てみてください」——そこから相談は、始まりました。

設計担当者が直接工場に足を運び、一緒に試作を進める形での開発参加。試作→評価→改善→再試作というプロセスを何度も繰り返しながら、最適な形状と製造条件を少しずつ見つけていきました。

こうして製品の出来栄えが確認され、「この会社なら量産できる」と設計部門から評価された段階で、初めて購買部門へ話が移りました。設計段階から伴走したことで、スムーズに量産へとつながりました。

一度でうまくいくことはなくても、その繰り返しの中にこそ答えがあると、この案件で改めて実感しました。

この経験が教えてくれたこと

「図面が来てから動く」のではなく「図面ができる前から動く」ことの価値を実感した案件です。開発の上流から関わることで、実現可能性が上がるだけでなく、開発スピード自体も変わることを改めて確認しました。

STORY.03

できる設備がないなら、
自分たちで作ってしまった話

導入先
加工方法が未確立だった新規開発案件のメーカー
技術
加工設備・治具の自社設計・製作による新規加工工法の確立

形状も加工方法も前例がなく、複数の押出成形メーカーに問い合わせても「できない」と断られ続けていました。

そんな状態で、お客様からイデア工業に相談が届きました。既存の設備では到底対応できない難形状・難加工の案件です。普通に考えれば、私たちも「対応できない」という結論を出すところでした。

イデア工業の提案

「できない」で終わらせたくなかった。

社長自らがマンガのようなラフスケッチで「こうすればできるんじゃないか」とアイデアを描き起こし、技術部に提案。既存設備では対応できないと判明した段階で、「ならばその加工ができる設備を自分たちで作ろう」という判断をしました。

設備と治具を自社で設計・製作し、試行錯誤を繰り返しながら加工工法を確立。他社では対応不可能だった製品の量産化を実現しました。

この経験が教えてくれたこと

「設備がないから無理」ではなく、「必要なら設備を作ればいい」という発想の転換が、この案件の核心でした。製品を設備に合わせるのではなく、製品を実現するために設備側を工夫する。その姿勢がイデア工業のものづくりの起点にあります。

STORY.04

蓄光素材で夜光る
ガードレールカバーに
挑んだ話
─ 実用化には至らなかったが、
知見を積み上げた事例 ─

導入先
道路・インフラ関連
技術
蓄光材添加樹脂の開発/押出成形

夜間の道路における視認性を高めたい。そのために、ガードレールのパイプカバーに蓄光機能を持たせたいというニーズがありました。

既製品の蓄光素材をそのまま使うのではなく、押出成形品として成形できる形で蓄光材を樹脂素材に添加する——前例のない試みでした。

イデア工業の提案

材料メーカーと連携し、蓄光材を添加した樹脂素材の開発と押出成形に挑戦。成形自体は実現しました。

しかし実際の夜間環境でテストを行ったところ、「月夜が意外と明るく、蓄光効果が視認できない」という結果に。実用化には至りませんでした。

この経験が教えてくれたこと

うまくいかなかった案件も、正直に載せることにしました。

失敗は責めない。失敗した分だけ知恵が積み上がる——それがイデア工業の考え方です。新素材×押出成形という開発プロセスの知見は社内に蓄積され、次の挑戦につながっています。「やってみないとわからないことがある」を、身をもって学んだ案件です。

STORY.05

未経験のインサート材で、
複合押出成形を実現した話

導入先
住設関連メーカー
技術
樹脂芯材のインサートを応用した複合押出成形

「ワイヤー入りのPVCホースをインサートさせながら押出成形できますか?」

——これが最初の相談でした。ワイヤーが入った状態のホースをインサート材として使いながら、同時に外側の樹脂を成形する——通常の複合押出とは異なる構成で、前例のある加工ではありませんでした。

イデア工業の提案

ワイヤー入りPVCホースに密着できる素材として、TPVCを提案。本体の材質・材料選定からスタートし、樹脂芯材のインサート技術を応用しながら付帯設備を改良していきました。

試行錯誤の末、インサートさせながらの複合押出成形での製品化に成功。お客様の「できるか」という問いに、「できます」で答えることができました。

この経験が教えてくれたこと

既存技術の「応用」と設備の「改良」を組み合わせることで、未経験の加工が実現できた事例です。「前例がない」は「不可能」ではない。その積み重ねが、イデア工業の技術の幅を広げてきました。